倉庫業を営もうとする者は、倉庫業登録を備えることが法令等により決められています。
無登録で倉庫業を営んだ者に対して罰則が設けられていますが、罰則の有無にかかわらず倉庫業の登録を備えた際に得られる恩恵について、ご紹介しています。
倉庫業登録を備えた者(倉庫業者)は、次のようなメリットがあると考えられます。
事業所や従業員を守る
昨今のコンプライアンスの高まりにつれ、突然荷主から倉庫業の登録の有無を問われる事業所が増えています。
倉庫業の登録を備えていないことを理由に寄託契約解除され、業績の悪化により優秀な従業員を手放さざるを得なくなった・・・
このような事例について、ご相談が増えています。
事業所や従業員を守る観点から、倉庫業を営む予定がなく自家用倉庫を保持してきた事業所であっても、倉庫業の登録を備えるメリットがあると考えられます。
事業所の信頼度が向上
倉庫業の登録は、法令等に定められた多数の厳格な規定に適合しなければ認められません。
そのため自家用倉庫などを保有する事業所に比べ、倉庫業を営んでいる事業所の信頼は高くなります。
例えば…
倉庫業の登録を備える施設(営業倉庫)は消防法の基準に適合していることが前提であり、火災による寄託物の焼失の可能性が低く、取引先や荷主が安心して寄託契約を継続することができます。
営業倉庫は警備態勢や照明設備を備えることが定められており、営業倉庫の近隣地域における防犯に寄与している事業所といえます。
事業所税を節税できる
固定資産税に課される課税に、資産割と呼ばれるものがあります。
資産割とは、非課税部分を除いた事業所等の床面積の合計が800㎡を超える場合、床面積1㎡につき600円を課すものです(例:神戸市)。
地域によりますが、営業倉庫の床面積が一定の数値未満であれば、資産割の一定の割合について全額が控除されます。
例えば、神戸市内の営業倉庫の床面積が30,000㎡未満であれば、資産割の3/4の部分につき全額が控除され、流通地区内の施設については、1/2の部分につき半額が控除されます。
資産割の割合や適用地域については差異が生じるため、ご確認ください。